kurohone’s diary

色々チャレンジしたい看護師

Apple Watch を1年使ってみて思うこと。~運動しない人の使い道!~

あー、Apple Watch便利。

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こんにちは、クロホネです。

 

かつて絶対にこれは買うまいと思っていたApple Watchを購入し、その上毎日使っているクロホネです。

 

僕は去年の11月にseries4を購入し、そろそろ1年が経とうとしている。

買って良かったか?結論から言えば

 

正解だった!!

 

この一言に限る。

使い道は様々だが、最初に言っておくと僕は運動しない。

 

うん。運動なんかしない。

そりゃあさ?最初は思ったよ。Apple Watch買ったんだし、運動しなくっちゃって。

 

でもね、そんなことでは人間の習慣というものは変わらないのさ。

せいぜい1週間のランニングや筋トレもどきで終わってしまうのだ。

 

だから私はあきらめた‼

 

Apple Watchはワークアウトのためだけにあるのか‼

運動しないやつは!アクティビティをチェックしないやつは!Apple Watchを使ってはいけないのか⁉

否っ‼‼

 

運動しないやつでも!ゴリゴリのインドア派であったとしても!

Apple Watchは十分活用でき、生活の一部となる。

 

これからその活用をお伝えしよう。心して見てほしい。

 

目次

 

1.Apple payが強すぎる

他のレビューを見ていても出てはくるが、Apple Watchを使う理由としては僕はなによりこれが最強だと思う。

というのも最近になりキャッシュレス決済化が進んできている世の中

そんな中でも頭一つ抜けているのがSuicaの存在である。そう、Apple PayでSuicaが使えるのだ。

 

電車やバスはもちろん、今や大多数のコンビニやドラックストアで使用でき、ものによっては自販機でも使えてしまう。

 

マジで小銭を使わなくなる。

 

財布を出さずに済むのはこんなに楽なのかと、使う度に思っている。大げさではなく。

そして素晴らしいのはSuicaを表示するためのアクセスだ。

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 サイドボタンをダブルタップ。

 

これだけ!

スッと出してカチカチ!

 

これだけ!

 

 なんちゃらpayはたくさんあるが、iPhoneを取り出して、アプリを立ち上げて…

「支払い」という場面においてスピード感は重要だ。

そういう意味でApple Watchでの支払いはとてもストレスがなくスームズなのである。

さらに!

 

僕はSuicaでの支払いをメインで使っているのだが、iPhoneでチャージできるのも素晴らしい。

クレジットカードを登録さえすれば、Suicaのアプリでワンタッチでチャージできる。

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iPhone上でチャージもできて、楽々。

いやー、ほんと近未来。

改札を通るときにはちょっと裏拳しなくちゃいけないけど。

 

そもそも僕はグンマーなので電車はほとんど使用しないけど、それでもたくさん決済の場面がある。

なので東京に遊びに行った際、電車やバスに乗るなど、移動に多用したときはほんとに感動した。

 

2.画面のカスタマイズ

 Apple Watchは言わずもがな、画面のカスタマイズができる。

 

これがいい!

 

おしゃれという意味でも、機能的にもだ。

series4から文字盤ギャラリーもさらに増え、その中でも実用的な文字盤がいくつか出た。インフォグラフなどである。

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サブダイアルといって、文字盤やその周囲にショートカットを埋め込むことができる。

 

そのアプリで計測している簡易的な情報が表示されており、さらにはその部分をタップすれば一発でそのアプリを開くことができるのだ。

 

これがいい!実にいい!

 

ちなみ僕が現在多用している文字盤はこれ。

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Watch OS6から導入された「メリディアン」だ。

僕は職業柄あまり派手な文字盤が使用できないのだが、これならそれほど目立たたない。

 

なおかつ、仕事でよく使うタイマー機能がすぐに使える。

サブダイアルについて。僕の場合には日にちやバッテリー、気温はパッと見るために入れており、アプリのショートカットとして入れているのはタイマーである。

 

つまり、情報としてのサブダイアル、ショートカットとしてのサブダイアルと使い分けている。

 

もちろんこうした文字盤だけでなく、自分が撮ったお気に入りの写真も文字盤化できるのだ。

 

機能特化でも情報特化でも、そしておしゃれ特化でもカスタマイズできる。

 最高の強みだ。

 

また、Watch OS6で追加となったボイスメモや計算機のサブダイアルは、機能特化としての文字盤にはとても相性がいいだろう。

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Apple Watchからも、iPhoneからも簡単にカスタムできる。

自分が普段よく使うアプリはサブダイアルに加えると日常がとても捗る。

 

ボイスレコーダーとか、なんかもうスパイグッズみたいじゃない!?

 

かっこよくない!?

 

ボイスレコーダーやリマインダーは自動でiPhoneに同期されるので、それも他のウェアラブルバイスより優れているところだ。

 

かっこいい。

 

 

 3.LINE通知

なぜ、「通知」でなく「LINE通知」なのか。

ぶっちゃけそれくらいしか通知がこないからだ。

他のレビューで言われている「大事な通知が~」とか「ツイートが~」とか、そんなものは僕はほとんど無縁なのだ。

 

ていうか…世の中そんなに逃してはいけないメールを受け取る人がいるのか…と自分の世界の狭さを実感した。

営業やってたり、ビジネスマンなんかはお客さんからの連絡には敏感でいなくてはいけないのであろうが…看護師は…まあ、そんなに…

 

だけど、LINEをパッと見られるのはいい。

すぐに返信が必要か不要かをiPhoneを出さずに判断できる。

手が塞がりがちな子育て世代にはうれしい。

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一応Apple Watchで返信できたりも…

Apple Watchからも返信できるが、定型文か音声入力になるので、これに関してはiPhoneでやるかなって感じ。

Apple Watchはあくまで通知がきたときにふむふむするだけ。

 

 

4.音楽再生のリモコンとして

これも人によるとは思うが、音楽をiPhoneでよく聞く人にはいいかもしれない。

音楽だけでなく、YouTubeなど動画を見ているときに音量調整などが手元でできるのはめっちゃ便利。

 

音楽の場合にはリピートやシャッフルなども簡単にできる。

別にランニングの場面でなくても、家事をしながら音楽を聴くときなんかも、なんだかんだ手首にリモコンてのは使い勝手が良い。

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簡易リモコンとして、常に手首にあるのは優秀

 

5.ファッションとして優秀

 こんなもんわざわざ僕が言わなくてもわかってると思うけど、バンドの付け替えができる。

うん、それだけ。

 

でもその種類たるやものすごい数である。純正以外にもAmazonにはApple Watchのバンドが溢れかえっている。

iPhoneのケースもそうだけど、Apple製品はほんとに周辺グッズが選びたい放題だ。

 

だからこそ、文字盤のテーマに合わせたバンドにしたり、結婚式にはちょっと真面目なメタルバンドを使ってみたりと、テーマやシチュエーションに合わせて無限に組み合わせることが可能である。

 

例えば僕は人気ゲームスプラトゥーンで出てくる架空のファッションブランド「タタキケンサキ」がすごく好きだ。好きすぎて公式でグッズ化した際にはすぐにジャケットを買った。そうなるとApple Watchもそれに合わせたい。

 

間もなく画面とバンドのカスタムでぴったりのApple Watchが仕上がった。

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僕の好きな架空ブランド、タタキケンサキ

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テーマに合わせて画面もバンドもカスタム




タタキケンサキテイストのApple Watchも簡単にできる。

これは別の趣味や服装でもきっとできる。

素晴らしい。周辺グッズが豊富なApple Watchだからこそできる技だ。

 

 

 

 6.そのほか、ピーキーな使い方

 ・iPhoneカメラのリモート操作

僕みたいにYouTubeで動画作ってたりする人や、集合写真などで活躍するのが、リモートカメラ。

実際に僕はiPhoneを2カメとして使う場合に重宝してます。

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以前動画で紹介もした機能

 これが意外と便利。

iPhoneを固定すれば自撮りでもインカメラでなくアウトカメラを使用することができる。

意外とレビューされていないが、私的にはすごく画期的な機能だと思う。便利。

 

 

・点滴の滴下計算

看護師さんならではのアプリ。これも以前動画で紹介した機能だが、Apple Watchのアプリに点滴の滴下計算アプリがある。これは、点滴をフリーフロー(自然滴下)で落とす際に時間通りきっちり落とすためにの滴下量を自動で計算してくれるというものだ。

 

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使用する点滴セット、滴下量、速度を設定

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サークルが回りきるタイミングが1滴の時間

病室でiPhone出すわけにはいかないけど、Apple Watchなら違和感なく見ながら滴下を合わせられる。詳しく知りたい方は下の動画にまとめてあります。


【滴下計算】Apple Watchって看護師向きのデバイスなのでは!?

 

使用したアプリ

 

 

 

おまけ

余談だが、Apple Watchの保護フィルムはまだ文化が浅いためか、本当に難のある商品が多い。

僕が使用している保護フィルムはnimasoのガラスフィルム。

しかし2019年10月29日現在、Amazon取り扱いしてないことになっている。

 

series5に買い替えは必要?

私的にはseries4なら今は必要ない。

スペックも飛躍的な変化はないし、デザインも変わらない。

今の使い方だと、4万以上出して買い替える必要はないかな。

ただ、ケースのバリエーションも増え、さらに常時点灯という新機能があるため、そこにすごく魅力を感じるなら、ありかもしれない。

(何気にseries4が発売した時の値段よりseries5の方が安い。クソが。)

常時点灯とか羨ましくねーし……ほんとだし…

 

 

まとめ

1年Apple Watchを使ってみて

Apple payがどのキャッシュレス決済より便利だと感じた

・様々な見た目と機能のカスタマイズがApple Watchの特権

・通知やリモコンとしても優秀

・まだまだ細かい便利機能はある!

いかがだっただろうか。Appleは公式でもワークアウトをめっちゃ押しているが、ワークアウト皆無な僕でもここまで使っている。

 

 

使いこなす、とは考えずに単純にファッションとして、近未来アイテムとして、購入してみても良いかもしれない。

購入に迷っているかたの参考になれば幸いです。

 

 

それにしてもApple製品の所有欲というのはすごい。iPhoneを持つまでは全く興味なかったのに。

Macbookもほしくなっちゃうなあ…

【国立病院やめてみて思うこと】いい意味でも悪い意味でも分岐した人生②

 前回の続きです。

 

【国立病院やめてみて思うこと】いい意味でも悪い意味でも分岐した人生① - kurohone’s diary

 

 

さあ、いとも簡単に国立病院を辞めると決めてしまった僕はしばらくは悠々と暮らしていた。

 

そのころYouTubeでの動画づくりも出来ることが増え始め、楽しく毎日を過ごしていた。

 

 

ただ、再生数もチャンネル登録者数もぜーんぜん伸びなかった。

 

 

そのときはただ動画を作って、公開するっていうこと自体が楽しかった。

 

「職場が変わって時間が取れるようになったら、どんな動画を作ろう…」

日々ニヤニヤしながらもはや消化試合ともいえるような国立病院での日々であった。

 

 

しかし…

 

 

次第に、職場の仲間たちに「辞めるんだー」と話すようになると、当然ながら「もったいない」と言われる。

そりゃそうだ。10年といえば、そこからが公務員のうま味がやっと出るというタイミングだ。

最初こそ、いーのいーの、退職金なんか考えてたら人生終わっちまうよ。

 

そんな風に言えていた。

 

 

でも、退職の日が近づくにつれて実感してくるものがあった。

 

 

失うもの。

 

この転職で失うもの。

 

それまではこの規則だらけの世界から解放される、という感覚だった。

でも。もうそろそろ「逃げ切れる」となったとき…

 

 

不思議なものだ。人間何かが終わるときにはとても記憶が美化される。

 

 

そうか…俺もう国立病院の看護師さんじゃなくなるのか…

 

 

実感した。当たり前だが、そう思った。

今までのキャリアも。病院内の様々な知り合いも。看護技術はともかく、そこで効率よく働くために自分で気づいてきたノウハウも…。

 

 

 

 

 

 

 

リセット!★

 

 

 

 

 

 

 

 

怖い!!!!

怖い怖い怖い!

なにこれ怖い!また新人さん??10年看護師やって、もう完全に中堅だったのに!

ほんとに??そういうこと??

 

 

…何を書いてるかわからないかもしれないが、起こったことをありのままに書くぜ。

 

 

辞める2か月前くらになって急にそんな感情が巻き起こったのだ。

嘘でしょ?え、なにそんな簡単に決めてんの?

いや、YouTubeとかそんなんで収入になるわけないじゃん!?

もう30歳超えてるじゃん?バカなの?え、バカなの??

俺看護師じゃん、そんなんできっこないじゃん!?

公務員でもなくなるんでしょ?え?せっかく10年やったのに?

もったいなくね?もったいなくね?退職金ももうもらっちゃうよ?

自己都合でもらっちゃうんだよ???

 

 

書いてて涙がでそうだが、マジだ。マジな話だった。

初めて自分の状況を冷静に俯瞰したのだ。

 

 

もうアホとしか言いようがない。

 

 

そこからは恐怖の鬱状態にシフトしていく。

 

 

寝ても起きても、自分がしたことが信じられない。

夢から醒めるというのはまさにこういうことなんだろう。

 

むしろ夢なら醒めてほしかった。

別に看護師でなくなるわけでもないのに、まして無職になるわけでもないのだが。

 

不安と恐怖が渦巻いて、心臓がバクバクした。

職場の仲間に転職の話をされると、冷や汗が出て、吐き気がした。

 

なんてことしちゃったんだ…

 

もう遅い。辞表は出した。もう…

 

後悔しても現実は変わらなかった。

 

最悪なことにそのタイミングでインフルエンザにかかった。40度近い熱が出て、心身ともに追い込まれた。

 

 

思い切って師長と妻に相談した。カッコ悪く、わがままで、ひどい話だとわかってはいたが、そのままでは冗談じゃなく死んでしまいそうだった。

なりふり構わず、様々な人に相談した。職場のみんなはそんなアホな話も真剣に聞いてくれた。

精神科の先生にもカウンセリングを受けた。

 

 

さんざみっともなくジタバタしたが…たくさんの方の意見を聞いた上で、辞表で示したとおり辞めることになった。

 

 

 

もう書くのやめていいかな…

 

 

自分で撒いた種に苦悩しつつも、みんなの励ましもあり、心が少し落ち着いたので、辞める時はなんとか平常心を保ち、挨拶することができた。

本当にあの時関わった方々には頭が上がらない。

 

 

 

そして…自分の看護師人生第2幕とも言うべき某精神科の民間病院での生活が始まった。

 

 

混乱と絶望の序章である。

 

 

 

いろいろな意味でアバウトだった。

 

 

僕は精神科急性期に配属になった。

精神自体は経験のない分野だし、勉強にもなるであろうと、まあそれ自体は良かった。

だが、やはりシステムがアバウトだ。

 

まず看護モジュールが違う。今まで受け持ち式であったのが、機能別看護となったのだ。

簡単にいえば、今までが患者別に担当していた形式だった。

今度のは業務別に仕事を担当するのだ。

 

内服係や点滴係といった具合だ。責任の所在がわかりにくい。

ちっちえーことなんだが、これが効いた。別職種のようだった。

それ以外にもやっぱり患者も違う。精神科の患者さんというのは『話してわかってくれる人』ばかりではない。理屈が通らない。正論が通じない。答えがない。

 

そしてゴールがとてもわかりにくい。

 

 

数字とデータと明確なゴールがあった外科とはぜーんぜん違う!

 

僕を混乱させたのは看護だけではない。給与形態も違うし、休みの取り方も違う。

今までがきっちりしていた分、信じられないことばかりだった…。

 

例えば国立病院では6日連続というのはあり得ない。

どうにかして5日までで調整されるし、祝日もちゃんと振替がある。

しかしながら民間は違う。

6日勤務も普通にある。

民間に勤めている方々には怒られると思うが、僕の中ではこうしたちょっとしたアバウトさというか、独自のルールがそびえ立つギャップとして襲いかかってきたのだ。

 

 

もう自分の常識が通じなかった…

 

そしてまた…鬱になった。

 

 

毎日毎日自分が何のために生きているかわからない。

 

 

自由に楽しく生きようと思ったのに、それどころか何もする気が起きない。

 

 

僕は死ぬ気になれば人間なんでもできる派の人間だったが、生まれて初めて味わった。

『死んだ方が楽なんじゃないか』

 

…精神科にいると、鬱の人がたまに口にする言葉がある。

『消えてしまいたい』

わかる。本当にそうだった。死んでしまいたい、じゃなくて消えてしまいたい。

死ぬことすら迷惑になるから、初めからいなかったことにしてもらいたい。

 

そんな感じだった。

 

一番堪えたのが、娘の小学校の入学式の途中でいてもたってもいられなくなったことだ。

妻に無理なら車に戻ってもいいよ、と言われて車に戻った。

 

本当に辛くて情けなくて、申し訳なくて。

でも車の中で子供たちの写真を見たら、死ぬわけには…死ぬわけには…と最後の理性みたいなやつが僕を食い止めていた。

 

 

 

…あのとき何か弾みがあったら、僕は死んでいたかもしれない。

今もそう思う。

 

 

だから、なんとかその鬱な時期を乗り越えた後も、僕はあの時一回死んだということにしている。

 

 

家族、友人、前の職場、今の職場、周りの助けがあって運良く生き残っただけなのだ。

今の人生は神様がくれたおまけみたいなものなのだ。

 

そう思うと、不思議と現実を受け止めながら、日常を取り戻すことができた。

 

 

この場でみんなに感謝し、そして謝りたい。

本当に迷惑かけてすみませんでした。

そして大袈裟ではなく今生きているのはあのとき心配かけた皆さんのおかげです。

 

 

 

 

さて、めちゃくちゃネガティブなことを書いてしまったが、2019年10月現在も僕はその民間精神科病院で働いている。

 

 

 

そう、もちろん良いところだってたくさんあったのだ。

 

ここからは転職して良かった点を書こうと思う。

 

 

まず一つ、プレッシャーが激減した。

 

そりゃあ真剣に仕事はしているが、まず命の危機に陥る患者さんがほとんどいない。

身体的には比較的元気な方が多いおかげか、急変だ!救急カート! 先生呼んで!心マして!酸素、挿管!呼吸器!…みたいなことはまあない。

 

その分、患者と小一時間向き合って話すことだってできる。

前の職場では考えられないことだ。

 

あとは国立と違って、超過勤務の申請とかも細かくない。というかほとんど超過勤務はない。

ライフスタイル重視な人も多く、定時には皆帰る。(当たり前なんだけど)

 

 

 

そういう意味でも気が楽だ。

簡単に言えばいい加減なのだ。いい加減というのは『いい』『加減』だ。ちょうど良いのだ。

 

 

不要なことはやらない。必要な業務はやる、といった感じ。それ以上でもそれ以下でもない。

だからすっきりしている。

別に国立とか公立をディスっているわけではない。きっちり入念にやるに越したことはない。

 

 

ただ、めちゃくちゃきっちりしなくても意外となんとかやっている病院もたくさんあるんだ、というだけ。個人の感想。

 

 

もう一点の大きなメリット、家にいる時間が増えた。

 

これはでかい。

 

定時に帰れるのだ。前はその日の業務が終わっても委員会だとか、リンクナースだとか、まあ様々な雑務があったが、現在はそういったことも日勤内に取り組む余裕がある。

つまり看護業務+αを勤務内でできてしまう。

だから帰れる。

 

そっれでいて近い。

17:15に業務終了で最速なら17:25くらいには家にいる。

 

17:25!!!!

 

まだ明るい!

 

すごい、これはすごい。

 

一番よかったと思うのは毎日子供たちと戯れる時間がある。

そりゃずっと一緒にいるとうんざりすることもあるけど、やっぱりかわいい。

 

日勤の日でもお風呂上がりにゲームを一緒にしたり、おままごとや動物ごっこしたり、戦いごっこしたり。

貴重な時間だ。

 

 

給料的にもあまり変化はなかったし、これなら悪い条件ではない。

 

 

そんなわけでこうやってブログを書いたり、動画を作ったり、絵を描いたり、挑戦する時間と体力が増えたのだ。

 

これで良かったとは思わない。でも悪かったとも思わない。

これから先どうなるかわからないけど、この転機は間違いなく貴重な体験だったに違いない。

 

 

看護師さんは引く手数多だ。

もし同じように現在転職を考えている人がいて、少しでもその人の参考になれば…

 

こんな恥知らずなエピソードを誰かの役に立てることができたら幸いだ。

 

 

やってみなきゃわからないことだらけ。

前回、今回と、いきなりなんかヘビーな内容になっちゃったけど、次回からは好きなことを気楽に書いていこうと思います。

 

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【国立病院やめてみて思うこと】いい意味でも悪い意味でも分岐した人生①

始めまして、クロホネと申します。

去年の春まで某国立病院(今は独立行政法人国立病院機構といいますが)に勤めていましたが、退職し、今は民間でのんびりしつつ色々なことにチャレンジ中です。

その一環でブログもやってみよーってわけです。

 

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なぜ10年続けた準公務員を辞めたのか。

 

一言で言ってしまえば「ちょっと窮屈だったから」。

はい。窮屈だったんです。

 

別に今でも前の職場は嫌いじゃない。むしろ今でも好き。

やっぱり医療としてのクオリティーは高かったし、スタッフもDrもみんな良い人だった。すべてがルール化されており、マニュアルや規則が整備されつくしていた。簡単に言えば「ちゃんとしていた」。

 

新人さんにはとても親切丁寧(僕自身が新人の時は厳しかったんだぜ?)に研修、技術練習を教えてくれる。分厚い新人教育マニュアルを使ってね。

どんなに忙しくても、何かミスやヒヤリハットがあれば1時間くらい時間を割いて振り返りを行い対策を考える。そう、どんなに忙しくても。

1年おきに目標を立て、自分と上司で評価をし、日常業務+αでより質の高いケアを目指す…

すごくきっちりしていた。すごくみんなまじめに、真摯に医療をやっている。

僕もその中で真面目にやっていた。

 

でもなんとなく、、

「公務員」という看板を背負っていることもあって、まるで公立学校の延長のような雰囲気があり、「このままずっとまじめにやっていくのか…」と漠然と何か違和感を感じていたのでありました。

 

 

トリガーは「部署異動」だった。

社会人9年目にして初めて部署異動。それまで外科オンリーでやってきた自分はいきなりポイっと血液内科という内科の中でもド級の内科に異動となった。

 

これがすべての始まりだった。

 

外科にいるときは呑気だった。運よく異動を免れ続けた結果、いずれは異動があることは間違いなかったのに、なぜか一生外科にいられるような気がしていた。自分の城で和気あいあいとやる看護がずっと…そんな錯覚をしていた。……甘かった。

 

知らない単語、知らない薬、外科と違って経過も長く、患者さんも長期入院でナーバス気味。恐怖のクリーンルーム。慣れない病棟、慣れないスタッフ。

もはや別職種なのでは…と思うと、すぐにメンタルがズタズタになった。(弱い)

 

だって外科が好きなんだもん…そう思って毎日くよくよしていた。

 

だが無情なもので、看護師とは自分でやりたいジャンルは選べないことがあるのだ。そこが医師と大きく違うところで、でかい組織に属すればするほど、様々な科を経験せざるを得なくなるのだ。自分では選べない…。全然興味なくてもやらなくてはいけない。 

 

数年かけて積み重ねたものが、また1からになる感覚。

いや、そもそも外科だって長くいたから好きだと錯覚しているのかもしれない。自分が安心できる場所を作ってもまたすぐに異動が…と不安でいっぱいになった。

 (1年経つころには血液内科も大好きになってたのにだ)

 

 

今考えれば別に看護師じゃなくたって世の中色んな仕事で色んな部署があって、毎年のように部署異動している人だっているわけなので、至極ありふれたことなのだが。

その時の僕は異常なほど視野が狭かった。

 

本当に看護が好きなひとじゃなければ…この世界はやっていけないのでは…

自分にはそんな志がなかったのでは… 

 

そして初めて思った。

 

そもそも俺は看護師がやりたかったのか…

 

危険な思考の始まり。この時すでに自分には子供が二人いた。

自分探ししてる場合じゃないッ。

 

でも、幹部任用試験も受かり、このままでは昇進…抜け出せず…この選択肢のない組織で流され続け…師長ともなれば、別の国立病院へ異動…(国立病院機構では師長昇進とともに病院間を異動します)

科が変わっただけでこんなにストレスなのに、病院まで変わったら…あああああああああああ!!!!

 

思考が独り歩きするのはとても速かった。

こうして書いてみると、別に悲観すべき部分が全然見つからない。なんだこいつ。

でもその時の僕はとても不安だったし、焦っていた。

 

 

 

 

家族の男どもは僕以外自営業だった。

話は変わるが、僕の実家の父、兄弟はみな自営業だった。父は金属加工、兄は美容師、双子の弟に至っては漫画家であった。

僕の異動があったとき、ちょうど兄は独立し、自分の美容院を開店。

弟も連載があったりした。

すごく楽しそうに見えた。(後にこのことを話すと二人から「自営業なめんなあテメエ」と言われたがw)

 

羨ましかった。そしてさらに焦った。

 

自由だった。もともと気ままな父を含め、僕にはない「自由」を感じた。

自分がやりたいことのためにスキルを磨き、それそのまま仕事に活かす。

そんな会話を聞きながら、自分の今の不自由さが引き立っていった。

 

売り上げが~…経費が~…とか言ってみたかった。(なめんな)

 

なんとなく人の役に立てるかな~って、なんとなくかっこいいかな~って、なんとなく食いっぱぐれないかな~って……僕は看護師になっていた。

 

 

 

なんで俺にはやりたいことがなかったんだろう…

一人布団の中で口に出したあの夜のことを今でも覚えている。 

 

 

そして思った。

いや……今からでも遅くないのでは…。

自分の軸がブレだした瞬間を自覚している人は世の中にどれほどいるだろう。

 

僕は確信しているが、このときに「真面目な看護師さん」をやってきた自分の軸がブオオオンってブレた。

 

 

 

 

そうだ、YouTubeを始めてみよう。

文字に起こすと、とても恥ずかしい。

そんなことあるかよ。もう30歳だぞ。

お前マジでそんな典型的なはみ出し方あるかよ。

二児のお父さんだぞ、お前もう30だぞ。

 

でもその時僕は本気だった。(いや今でも本気でやってるよ?)

公務員の方であれば一度は経験があるだろう(あってほしい)「俺も何かクリエイティブなことがしたい病」だ。

 

寝室でスヤスヤ寝ている子供たちを見ると、絶対に不自由はさせたくないとも思った。

 

けれど、

信じていた。それが自分のしたいことだと。ちゃんと働きながらやればいいんだ!と。これで人生の問題が解決すると。

当時子供と見ていた「瀬戸弘司の動画」の瀬戸さんみたいに、自由に自由を楽しむ、そんな自分になれるかもしれないと。

 

ここから、国立病院退職への道が始まるのだ。

 

 

 

 

はじめに言っておくが、この後僕は鬱になる。

 

 しばらく後悔の嵐に苛まれる。

反省すべき点はたくさんあるが、一番はリサーチ不足であった。

 

クリエイティブ活動をするために、まずはこの規則びっしりの国立病院を辞める。

そもそも副業したら新聞に載ってしまうような職場でのクリエイティブ活動は無理だと思った。

 幸か不幸か、看護師というのは就職先が山ほどある。

しかも収入もそれほどは変わらない。(後の後悔の種になる退職金…福利厚生を除いて考えるとだが)

 

 

 

これも今思えばだが、そもそもの不安の種が職場の環境が変わることだったのに、それから逃れるために職場を変えるという、わけのわからない状況だった。

いくらクリエイティブなことがしたいという願望があったとはいえ、狂っていた。

 

しかし僕は止まらない。

 

「まずは時間がたっぷりとれるところが条件だよね!」

 

そう思った。

もう書いてて辛い。とても浅い。自慢ではないがすべて順調な人生を歩んできたおかげで頭の中がお花畑だった。

 

そしてそのフラワーな頭が考え出したのが、「家から近く、定時で上がれそうで、それなりの規模がある民間病院」だった。

 

そんな都合のいい条件あるわけねーだろうが、このキティ野郎。

 

 

 

 

あった。

あってしまった。結構大きくて家から激近。しかも前からちょっと興味あった精神科。

しかしさすがに内情が全く知れないところにいくのもさすがに…と思ったので、求人募集ページや病院のwebサイト、口コミなど調べるも、自分で調べるには限界があった。

 

そこで某看護師転職サイトに登録。調べてもらうことに。

 

だが…これがフットワークの悪いこと悪いこと。(今も許してねえからな)

最初は募集があるかないかを調べてもらうだけだったのに、「9月になれば情報が出ます」との返答。待ってから9月にもう一回かけたら「色々変動があるから10月には~…」

この時点でお察しの通り、10月にもう一度電話したら「11月頃には…」

しかも、9月の電話で聞いていた経験考慮の有無や、副業の可否なども一切わからずであった。

 

…………おいコラ舐めてんのかてめえ!

何じゃコラおい!なんも仕事してねえじゃねえか!

 

でも当時の僕はフラワーなので、「それじゃあもう自分で病院に電話かけてみるか~」くらいに流していた。

こいつもこいつでどうかしている。

 

そして病院に電話かけたらかけたで「そういうのはハローワークとかに書いてあるんで~…」と。病院見学も断られた。

でもフラワーなので、「さすがに経験考慮もあるし、規模がでかいからそれなりに手厚いっしょ」と決めつけていた。

 

 

文章に起こすとヤバい。ヤバすぎる。当時の僕には何か大切なものが欠損していた。

 

そしてあっさり面接に行き、内定をもらい、10年勤務した国立病院の機構本部に退職届を出した。

 

 

その後、人生で最も暗黒な時間を過ごすことになるとも知らずに。

 

②に続きます。

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